探偵手記

助手による探偵ごっこ

kissan tunteita

図書館で『Suomen kieliopin käsikirja(フィンランド語文法ハンドブック)』を借りた。前に一度別のフィンランド語の本を借りたことがあって、その時はほとんど読み進めないまま返却期限を迎えてしまったので、お盆休みを利用して再挑戦しちゃろ!という魂胆だった。


ここで俺様直々にフィンランド語のヤバいポイントを紹介


名詞には「格」というものがある。すご~く雑に説明すると、「その文章の中でこの名詞はどういう役割ですか?」というもの。

例えば「イチロウがジロウにチョコをあげる。」という文では、「イチロウ」は 主格 、「ジロウ」は 与格 、「チョコ」は 対格 になる。こういう主語とか目的語に限らず、文章中に登場する「8時から」とか「電車で」のような名詞を役割ごとに細かく分類できるもの、というイメージが近そう。日本語ではこれらを格助詞(てにをは)を付けることで区別している。

そして、いくつかの言語では格を区別するために、名詞の形を変えて扱っている。英語でも代名詞なんかは主語で「I」、目的語で「me」、所有格で「my」のように形を変えるけど、あれを全部の名詞でやるようなイメージ。古典ラテン語は 6 つの格を区別して格変化していたけど、今のフランス語やイタリア語とかでは格変化は無くなっているらしい。

そしてフィンランド語は、14 の格を区別して格変化している。例えば kissa (猫)という単語だと、単数形はこんな感じ。

語形 意味
主格 kissa ~が
属格 kissan ~の
分格 kissaa ~を
内格 kissassa ~の中で
出格 kissasta ~の中から
入格 kissaan ~の中へ
接格 kissalla ~の表面で
奪格 kissalta ~の表面から
向格 kissalle ~の表面に
様格 kissana ~として
変格 kissaksi ~になる
欠格 kissoin ~なしで
具格 kissatta ~を使って
共格 kissoineen ~とともに

ヤバすぎる

しかも複数形はまた別の形になる。すごすぎるぜフィンランド


このヤバさに惹かれてちょっとやってみるか!という気になった。ちなみにお盆では 340 ページ中 48 ページしか進まなかった。名詞は上の表で言う「向格」までで、動詞は現在形だけ。無理すぎるって

調べてみたら日本語の格助詞は 9 個で、区別の数自体はそんなに大差ないことにはちょっと驚いた。日本語がぺらぺらであるという事実が、俺を強くする

こんなことをしている暇があったら論文を読んだり研究をしたほうがいいんだけど、頑張るぞ~~